「レーゼ様ならともかく、私はただの近衛騎士だ! その辺の騎士に負けるつもりはないが……レッド・ワイバーンは無理だ! あれはA級冒険者でも、一部の者にしか討伐できないようなモンスターだろう!」 「まあ、そうだが……」 「それにオーガも、一体ならともかく十体だと!? 無理だ! 死んでしまう!」 メイルは目尻に涙を浮かべながら言った。 ただ、それだけだとすぐ終わるから……こっちのオーガ十体の討伐も受けよう」 「ちょちょちょ、ちょっと待て! ネット! こっちへ来い!!」 メイルが俺の首根っこを掴んで、ギルドの隅の方へ移動した。 「別にレーゼも、完璧というわけじゃないけどな……」 「どこがだ!? 直接この目で見て、私はますますレーゼ様は完璧だと思ったぞ! S級冒険者でありながら、あの美しい立ち振る舞い! 全身から醸し出される気高いオーラ! 存在感! ……ああ、本当に心の底から憧れる……っ!!」 恍惚とした表情でメイルは語る。.
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